母の妹
先月、8月21日に
母の妹が亡くなった。
83歳、腎臓ガンだった。
母の妹は
私が嫁ぎ先で20年経った頃
辛くて我慢ができなくなった時に
頼って行った人だった。
私の母は
父親がわがままな人なので
私の嫁ぎ先の事は
いくらかわかってはいたかもしれないが
自分が父親と上手に関わる事で
毎日がいっぱいいっぱいで
「あんたが好きで行ったんだから」
と、自己責任を主張して
心配しているような事を
言ってくれた事はなかった。
嫁ぎ先のいろいろな事に疲れはてて
大きな事件のあと家を飛び出した時
行くあてがなかった私は
母の妹である伯母を頼って行った。
もちろん、子供の事もあるので
伯母のところで3時間ほど話をして
仕方なく帰ってきた。
その時の事はココ(←良かったらクリックして読んでね)
伯母は30歳前に最初の夫を亡くし
二人の子供を育てあげ
60歳を過ぎてから再婚した。
50歳頃に知り合っていたのだが
子供達の事を思って
子供達二人が家庭を持つまで
籍を入れなかった。
でも、10年もしないうちに
その旦那様もガンで他界した。
そして、独身を通した旦那様の姉の
面倒を見て最期を看取った。
それからすぐに血尿が出て
検査の結果、腎臓にガンがみつかり
手術もできない状況で
入退院を繰り返した。
3ヶ月ほど前に
病院でトイレに行こうとして
ベッドから落ちて背骨を圧迫骨折して
ずっと寝たきりになってしまった。
私も何回か病院にお見舞いに行ったのだが
5月頃は
「マンション決まって良かったね。
良くなって遊びに行くからね」
と、喜んでくれた。
そして、今までは
いつも前向きに私を励ましてくれて
きっと私より大変な思いをしてきただろう人が
こんなに前向きに生きているのだから
くじけてはいられない
そんな気持ちにさせてくれた人が
私の帰り間際には
いつも涙ぐんで
いつだったか
「私が何か悪い事でもしたんかねぇ~」
と、ぽそっと言った。
そうだよね。
おばちゃんは、いつだって頑張ってきたよね。
自分だっていっぱい大変な事を抱えてきたのに
実家の親の事だって
一人身で身軽だからって
8人の兄弟姉妹の面倒をいつもみてきたよね。
うちの母親は一番上の長女だって
親が入院した時だって
父親の手前ほとんど行けなくて
おばちゃんが全部面倒みたよね。
兄弟姉妹の冠婚葬祭だって
いつだって、おばちゃんがまとめて
いろんな事が問題なく済まされてきたよね。
それなのに
神様は、ご褒美はくれなかったんだね。
そんな伯母の姿を見ていると
不憫に思えてならなかった。
入院しているうちに見る見るやせ細り
面影もなくなった。
それでも、最後にお見舞いに行った時は
「昨日は、全然目も開けなかったんだよ。
今日は、こんなにいっぱい話ができて」
と、伯母の娘が話してくれた。
伯母はふりしぼるような声しか出なかったが
大きく目を開いたりして
笑わせてくれたり
私たちが帰る頃には
笑顔も見せてくれた。
伯母の長男は姓はそのままだが
奥さんの親と同居していて
その父親の新盆で忙しそうで
伯母は自分の事より長男の心配をしていたが
お盆が終わるのを待っていたように
私たちがお見舞いに行った10日後
息をひきとった。
こんな人生もあるのだ。
平等に幸せは訪れる訳じゃない。
平凡な人生で良いんだ・・・と思っても
それすらも叶わない人なんて
たくさんいるんだ。
なんとか、前向きに生きて行きたい
そう思って踏ん張っているけど
後ろ向きになってしまう事もあるよね。
でも、おばちゃんが前向きに生きてきたのは
とても素敵な姿だったって思うよ。
たとえ、悪い事ばっかりあったとしても
おばちゃんは輝いていたよ
ありがとうね
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