天国へ・・・
夜中になると夫は
訳もなく起き上がるようになった。
話しかけても訳のわからない事を言うきりで
会話にならなかった。
長男が病院に着いて声をかけると
「○○(←長男の名前)かい?」
と、長男の事は解ったらしかった。
夫は、まるで夢遊病者のようでもあり
酔っぱらっているようでもあった。
モルヒネを使うと言うことは
こういう事なのか・・・と、思った。
ベッドの上に座り込んで
体を左右に揺らしたり
動くのもままならないのに
ベッドから降りようとする。
みんなが声をかけると
焦点の合わない目で
訳のわからないことを言うようにもなった。
やっと横にならせても
又起き上がって何かをしようとしている。
トイレに行くようなそぶりも見せるので
看護師さんが付き添って
部屋にあるトイレに行ったりもした。
あまりにも変な行動をするようになってしまい
もう、普通には戻らないのでは・・・
と、思うと悲しくなってしまって
みんな泣き始めてしまった。
すると、泥酔しているようになっていた夫は
泣いているみんなを見つめて
「どうしたん?」
と、聞いてきた。
2月2日(火)の朝方までそんな行動が続き
みんなに促されてやっと横になった夫の呼吸は
しばらくすると、いびきのような呼吸に変わった。
病院に来ていなかった次男は
電話をして様子を話すと
急いで来ると言う事なので
あせらないで良いから
気をつけてくるように伝えた。
長女は
「会社のお金を預かっているので
一回会社へ行ってきたいけど、大丈夫かな?」
と言うので会社も近い事だし
今、落ち着いているから・・・と言う事で会社へ行った。
しばらくすると、呼吸の間隔は長くなり
30秒に1回大きく呼吸するようになった。
長男が「お父さん」と呼びかけると
呼吸をするが
放っておくと呼吸が止まるようになった。
夫の目からは涙があふれた。
そして、まるで
「もういいから、もう呼ばないで
このまま休ませてくれ」
と言っているように首を左右に振った。
私は、あわてて長女に電話をした。
長女は、もう病院の近くまで戻ってきていた。
夫の姉が夫の足をさわっていて
「あっ・・・足のほうが冷たくなってきた」
と、言うので
長男が
「お父さん○○(←娘の名前)が
もう来るから来るまで頑張ってよ」
と、言いながら夫の手をにぎっていた。
夫の姉は
「ステッピーちゃんに
ありがとうって言ってあげて。
いっぱい苦労させたんだから」
と、言って号泣していた。
本来なら、緩和以外の事はしないと言う事なのだが
長女の到着まで何とかと言う思いを汲み取って
酸素吸入をしてくれた。
呼吸が止まったようだったが
最期を看取った医師は
娘の到着を待って
「7時22分、ご臨終です」
と、頭を下げた。
夫は2年前の今日
平成22年2月2日(火)7時22分
長いガンとの闘いを終えて
天国へ旅立った。
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